アレンジャー、プロデューサーとして様々なジャンルでの音楽活動を多面的に続ける井上鑑(いのうえあきら)による音響インスタレーションの作品をご紹介いたします。
この作品はオーディオイベントではなく音楽の伝達方式の新しい形を提示するインスタレーション作品です。
タイトルの「Soundings」ということばを紐解くと「音を出す、鳴り響く」という音楽に寄り添った意味とともに「水深を測る、人々の意見を調査する」というあまりなじみのない意味があることがわかります。音楽が何かを表現すると同時にさながら海の深さを測るように確かな意志をもって響く、そのような「世界でただ一つの場所」を作るための試みとしてこのプロジェクトの名称となりました。
音楽と人間はおそらく2000年以上の関わりを持ち、お互いに深い意味を持ち続け、探し続けても来ました。そのような中、人が音楽を携帯したり他人との関わりを持つことを前提としない音楽の享受をするようになったのはごく最近のことです。例えば通勤電車の一車両で乗り合わせた乗客が偶然全員同じ曲をオーディオプレーヤーで聴いていたとしてもお互い誰も気づかない、という不思議な情況の中に今日の音楽は置かれております。その一方では街でも観光地でも頼んだ覚えのない音楽や音響が何かをカモフラージュしているかのごとく流れ続けています。
データ配信や音楽形態ツールの普及が音楽と人々との関係を著しく変化させている今、「未知の聴き手と出来る限りダイレクトに出会う場」の創造は、音楽の作り手にとっても、あるいはまた受け手にとっても切実なものとなっていると考えられます。
「Soundings」は「音楽に包まれている時間と空間」をあらたな視点によって体験していただくための試みです。目を閉じて、あるいは大きく目を開いて、何を感じ取っていただけるでしょうか。
井上鑑と日本を代表するアーティストたちの創造する音楽空間をSA-CDフォーマットのハイクオリティ・サラウンドサウンドでご堪能ください。
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