[Criteria]
<About Music>
初期の製作段階では[自動測光システム]という謎のタイトルだった曲。Alexとのコラボレーションを想定して最初からリズム的な要素、例えばドラムスやパーカッションを入れずに録音を進めるのも新鮮な経験だった。期待以上のアイデアを持ち込んでくれたAlexのグルーヴから後半に登場するGed Lynchのソリッドなフェイドインドラムスのアレンジが生まれた。4/7拍子のフレーズはDavid Rhodesのシンプルかつパワフルなギターで支えられているがヴァース部分のアコースティック・ギターや12弦ギターは自らも優秀なエンジニアであり、更にPeter Gabrielのツアーでもギタリストとして!?ステージで活躍するRichard Evansが演奏している。Richardはアイリッシュミュージックの笛や弦楽器の名手でもあるのだ。彼の自宅スタジオは20本以上もあるギターやマンドリン、ブズーキ、サズーなど弦楽器が整然と並ぶ不可思議な空間でイングランド西部の歴史ある都市Bathの市内を見下ろす高台にある。
<About Words>
アルバムタイトルにもなったCriteriaとは「判断基準」「規範」というような意味合いの言葉。聖書とコーランと仏教教典という人類にとって最大公約数的なCriteriaが一方にあり、きわめて個人的な、そして内省的なCriteriaがすべての人の中にある。次の世代の人々に未来や希望について語りかける時、否応なく人は自分自身のCriteriaと向かい合うことになる。しかし、集団や民族にとってのCriteriaと個人個人にとってのCriteriaの間に距離があることは特別珍しいことではないのだ。
井上 鑑