[Lexicon Of Green]

<About Music>
今剛のスチールギターをフューチュアしたアコースティックサウンド。アコースティックギターも今剛。この曲も実は頻繁に拍子が変化するので譜面にしてみたら意外なほど複雑になってしまった。でも、音楽的には大きく言ってひとつのフレーズのアイデアから発展しているので流れとしては静かで優しい。後半のピアノフレーズはTchadとWendy and Risaの名作アルバム「Girls Bros」のサウンドが原点にある。ピアノフレーズに導く部分のシークエンスはTchadのMixの中でも大きく扱われているが作者も気に入っているもの。8分の6拍子に対して4分の4でずれながら平行して進行する、というアイデア。

Wood Bassは僕が2枚目のソロアルバム「Cryptogram」で初めてロンドンで録音したとき以来の付き合いであるJohn Giblinが弾いてくれた。Richard EvansがJohnに曲の説明をした時「ジャズになりかかったカントリーアンドウェスタンの曲」と言っていた。自作曲をカントリーと評されたのは初めてのことである。Mark Felthamは10cc,ロリー・ギャラハーその他との仕事で活躍するブルースマンだがリリカルな感性が素晴らしい演奏家。この曲のソロも素晴らしい。ちなみにほとんどファーストテイク。

<About Words>
小学生の頃、体が弱かった妹の療養のために富士山の麓、親戚のつてで御殿場で夏休みを過ごしていた。ヨーロッパ人宣教師達が開いた「二の
岡荘」という別荘地、というか恵泉女学園というミッションスクールの持つ施設だったのだが。都会育ちのひ弱な子供はこの地で初めて土や草や樹と遊ぶことを知り、年長の子供に連れられて海賊になったり山賊になったり隠れ家を建設したりした。今思えば何と贅沢な時間と空間だったことか。その空気がこの曲のテーマとなった。一日中「土の上を歩く瞬間のない」子供たちに伝えたいことがある、と感じたことが出発点にある。

井上 鑑

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