[X=歩幅]
<About Music>
曲の原形はずいぶん前から成立しておりライブなどで演奏し続けていたもの。正当派ジャズよりもマハビシュヌ・オーケストラに多大な影響を受けた僕としてみればこの曲の「変拍子」も書法としては王道と言える。録音もシンセ打ち込みと山木秀夫のドラムスを中心に(特に発表する機会のあてもなく)ほとんど完成形に近くできていたものを今回見直して再構成した。山本拓夫のサックスが入って人間的になった事を契機にベース、ギターも録音し、さらに小倉博和が12弦ギターで印象的なサウンドを作ってくれたところまで進んだところでいきなり「ドラムスを録り直したい」と言う気持ちが生まれてきた。Mixの為にイギリスへ行くほとんど数日前にエンジニア山内君のスケジュールと山木氏のスケジュールを強奪して再録をしたのだがスピード感を大幅に増す結果を生むことになった。
<About Words>
こうした拍子(16分の17拍子)の曲にヴォーカルが入るのは珍しいのだが、曲が出来たときにはほとんど同時に詩が出来ていた。その頃、地雷除去キャンペーンが世界的に注目されており、そのメッセージからも影響を受けて生まれてきたアイデア。ただし特定のメッセージを伝える、と言う姿勢は僕の中にはあまり無いようでむしろ「人が歩いていくこと」についての歌、と言う気持ちで歌っている。イントロ、エンディングに入っているヴォイス・コラージュはノイズゲートのダッキングという手法を使って超アナログ的に作ったもの。こうした工作とか編集とかが録音の楽しみのひとつなのだ。
井上 鑑