[いつか野原で]
<About Music>
津軽三味線の吉田兄弟が参加してくれることになり、彼らの演奏を生かせる曲が欲しくて創った曲。出発点として三味線があったので民謡の素材をあれこれ聴きながらアイデアを探していたところいくつかの候補となる曲を見つけた。その中から編集をしながらベーシックのフレーズを決めていき、さらにそこから新たな部分を構成しながら曲の構成を決めていった。最終的に使ったのは津軽三大民謡の内のひとつ「津軽よされ節」の中にあったモチーフ。三味線のパートはかなり古典に忠実な部分とプリプロをしながら作っていった新しい部分とで構成されている。パーカッションは三沢またろう。印象的なフレットレスギター(ほとんどウード)を弾いてこの曲の個性を決定付けてくれたのは小倉博和。三味線はバース部分などでテクノ風?とも言えるほど激しくフィルタリングされているが本人達も気に入ってくれたようで安心した。
<About Words>
仮に英詩をつけるところから出発して紆余曲折の末、アルバム全体の言葉のテーマを集約するような形にまとまっていった曲。津軽三味線と現代語の組み合わせというのも実はあまり例がないように思う。三味線の響きの中には情熱と哀愁、希望と回想、といった重層的なイメージがそのエネルギッシュなリズムの中にあり、それらが言葉の世界にも影を落としている。透明なかすかな希望が激しい風の中に見えている、というイメージ。
井上 鑑