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#07. Lovely Rita

溺愛している曲ではないのに、無意識で口ずさんでいる曲ってありますよね。

むしろ「げげっ、影響されてる!」と思うことも多いはず。

 

携帯電話黎明期には同じ呼び出し音があちこちから聞こえてきて、中毒性も半端ありませんでした。

誰かの電話が鳴ると周りの人が一斉にポケットに手を入れる、なんて構図も、特にヨーロッパでは多かったものです。

 

今やイヤフォン時代、呼び出し音すら聞こえてこない世界ですが。

つい先日本番前のステージで、全く理由もわからず頭の中で鳴り始めたのが「Lovely Rita」。

それもChorusパートの「Lovely Rita〜Meter Maid」というリフレイン部分でした。

 

実は僕にはもう一曲、時々突然お邪魔します!と鳴り出す曲がありまして、そちらはBeach Boysの「Vegetables」なのです。

まぁ、こちらはトリガーがわかる場合も多くて、単細胞的にサラダが美味しい時とか、絶妙な和食の煮物などを頂けた時とか「I Love Them Most Of All, My Favorite Vegetables!」と鼻歌が出るわけです。

 

この曲、福山雅治さんの全国ツアーで「サラダサラダサラダ」と連呼する可愛い曲があり、その曲前のプリイントロで何十回もアコーディオンで演奏しちゃった!のですが、会場で気付いてくださった方は居たのか?皆無だったのか?

有り体に表現すれば、外しました...。

 

 

さて、話を戻しますと、「Lovely Rita」は駐禁のチケットを切られた時には絶対に思い出しません。言ってみれば語呂の良さとフレージングの魅力で、いつまでも脳裏でリフレインしているのでしょう。それが時々、基本的に微笑んでいる時とか、楽しい事がやって来る予感と共に降ってくるのです。

 

しかもこの曲はバッハの無伴奏曲に近い程の高い音楽性を持っており、メロディー自体が和声感覚を全て表現しているという天才ポールの匠の技そのものです。ボサノバにしてやろう、とか思って複雑系ハーモニーを付けるにはあまり向いていません。

 

そもそもパーキングメーターの女性監視員にモーションをかけるなんて発想がモンティ・パイソンの国のセンスですよね。

 

Meter Maidというアメリカのスラングを聞きつけたポールが面白がって作った、という逸話を読んで、辞書を引いてみたらOxford英英辞典には英国的名称のTraffic Wardenについて懇切丁寧に、気をつけろよと言わんばかりの説明が載っていますが、Meter Maidは存在しません。

 

Maidという単語には英国人でも色事イメージで反応する因子があるのでしょうか?

それにしてもキュートな曲。これってRockなの??

© 2025 Akira Inoue / Pablo Workshop.

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