「八月の赤子」


新聞を読む人が減っているらしい。僕の父はかなり長い間、朝日、読売、毎日の日刊と東京新聞の夕刊の全部を購読していたから、我が家は新聞であふれていた。しかも、今と違って多数出版されていた音楽に関わる週刊新聞や季刊紙の類、さらには社会派だった父は支持している政党や文化団体の機関誌などなど、おびただしい新聞や冊子に埋もれていたものだ。そうした紙の山脈の中から音楽に関わる記事を自分で切り抜き、ファイルして行くのだから当然追いつかない。父にしか判らない秩序で積み上げられた新聞紙は僕にとってもひとつの原風景そのものだった。そんな僕には昨今の薄っぺらい新聞は何とも情けない姿に見える。料理の記事は役に立つが、タレントコラムや全面広告の多さには寒い思いを感じざるを得ない。
でもね、天声人語を始め、未だ日本にも希望があると感じさせてくれる記事も絶滅した訳じゃない。宇多喜代子さんという俳人を不勉強ながらつい先日教えてもらったばかりである。「八月の赤子はいまも宙を蹴る」という句の意味はすぐには解らなかったが、やがて冷たい汗を僕はかいた。
今年の八月はリオがあふれているが、他にも見つめる値打ちのあるものはあるはず。そんな訳で数年前リオに行った時、街角で僕が見つけた風景をどうぞ。

(Photo And Text By Akira Inoue)

≪From Akira Inoue≫
D.S.D TrioParachute独創會2015Arrange Island Show連歌 鳥の歌 2016

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【8月28日】NNG2016開催間近です

今年は下北沢に戻り、「音倉」という親しみやすい雰囲気のライブハウスで開催いたします。
ナターシャ・グジーさん、金子飛鳥さんのおふたりはお馴染みですが、それぞれ世界に大きく飛躍した今年、更に深く熱い表現を繰り広げて下さるでしょう。コンサート、事前チケット予約に関する情報はこちら。