「直線のないピラミッド」


南海トラフ地震を取り上げたニュース番組で見た「被害予想地域」の略地図はとても印象的だった。というのも日本文化のルーツともいうべき地域、一番古くから文化的に開けてきた場所が選ばれて網羅されているように見えたのだ。九州、四国、関西から伊勢湾沿岸、そして東海、、、何れも東京に比べたら遙か前から多くの文化が花咲く「奥座敷のある場所」ばかり。被害の大きさの恐ろしさは勿論だが、失われかねない歴史の遺産や未だ発見されていない様々な遺構、を思うと少なからず畏怖を覚えてしまう。バーミアンの石仏が破壊されたのは人の手によるもので、それはそれで違った絶望感が漂うけれども、自然の力で人間にとっては長く積み上げてきた歩みがあっという間にリセットされてしまうのは眩暈がするような現実である。
 
現実だけれども何時現実になるかは知ることが出来ない、この謎にもっと人類は真摯に向き合わなくてはいけないはず。みんなが感じているけれども、扱いかねているテーマなのだろう。
 
さて、ここは徳島の山の中。不思議なピラミッドのような岩の向こうには杉の林が拡がり、見上げるような山並みの間には平地と呼べる空間はほぼ存在しない。
でも驚いてほしい、少し前にはこの斜面を集団登下校する子供たちの列が朝な夕なに通り過ぎたそうなのだ。今は50代ならば若年層と呼ばれかねない集落なのだけれども。
 
(Photo And Text By Akira Inoue)

≪From Akira Inoue≫
OSTINATOD.S.D TrioParachuteArrange Island Show連歌 鳥の歌 2016