「場所の持つ磁場」


地球が丸くて大きな星だと言う事はみんなが認めて知っていることだ。イマドキ疑う人も少ないと思うのだが、アメリカには地動説を認めない原理主義的教義を是として生きているひともたくさん居るという事実もある。ウェブやテレビや雑誌で行ったことの無い土地や街のことを見聞きする機会も増えた現在、自分は世界を知らないひとだと自認するひとは意外に少なくて、県民ショウで教わったばかりのことで飲み会を盛り上げてみたりするものだ。
だが、本当のところは自分が動かなければ判らないことだらけなのだ、という事もみんなは知っている。知ると言う事が少しばかり危険な要素を持っていることもみんなが知っているにちがいない。学んで物事を見直すと言う事は摩擦を生む可能性もある。ときには自己変革を促されるモーメントにもなりかねない。
 
先日「マチュピチュ大中継」的な番組を見ていて、自分が歩いたときのその場所とあまりにも違う景色が展開されていくのに呆然としてしまった。ひとの眼は素晴らしい性能ではあるが外側にフレームの外という枠が無い。という事はいつも全体を見ながら細部をみている訳で急に引きの絵を見ることは出来ないのである。高地の薄い空気のなかをふーふー言いながらゆっくりと歩いてこそ判ることがたくさんある。そして、観光地は観光客が居て成立する事物なので、他人の居ないマチュピチュを見ることは出来ないのだ。
 
それでも、特別な場には何か俗世を飛び越えて攻めてくる力が満ちている。途中と感じる場所と、到達点や出発点であると感じる場所との違いは一体何が生むのだろうか。マチュピチュに都があったことは実に腑に落ちるのであり、滅びていったこともまた同様に腑に落ちることなのだ。
 
さぁて、ここはどこでしょう??
 
(Text and Photo By Akira Inoue)

 


≪From Akira Inoue≫
OSTINATOD.S.D TrioParachuteArrange Island Show連歌 鳥の歌 2016

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